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マネジメントメッセージ 2012年 (分割版) | アニュアルレポート | KDDI株式会社 kddi ar2012 j05

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(1)

KDDI は新しい時代の

先頭を走り続けます。

KDDI は、かねてより準備を進めてきた 3M 戦略を本格始動しました。「戦う KDDI 」として

サービスイノベーションを起こし続けるとともに、社会インフラを担う通信事業者としての

使命も確実に遂行し、持続的な成長を実現していきます。

KDDI株式会社 代表取締役社長

田中 孝司

(2)

2012

3

月期は、次なる成長に向けたスタートの年と位 置づけ、

KDDI

グループが一丸となって「基盤事業の立て直 し」に取り組んだ結果、確かな成果を得ることができました。  営業収益は、「毎月割」や「シンプルコース」の浸透にとも ない音声

ARPU

が減少しましたが、端末販売台数の増加お よび固定通信事業におけるグループ会社の収益拡大など により

4

期ぶりの増収となりました。

 「戦う

KDDI

」に変える。̶̶私が社長就任時に何としても 成し遂げなければならないと考えたことです。そして、

KDDI

を再び力強い成長軌道に乗せるための中期的な成長 戦略として、「マルチネットワーク(

Multi-network

)」「マル チデバイス(

Multi-device

)」「マルチユース(

Multi-use

)」か らなる「

3M

戦略」を内外に示しました。しかし、その本格実 行の前にやるべきことがありました。売上の約

75%

を占め る基盤事業である移動通信事業の立て直しです。

MNP

による他社への流出が続き、データ

ARPU

の伸びで も他社に遅れをとっていた移動通信事業は、まず、戦える状 態にまで引き上げることを急がねばなりませんでした。何 よりも、営業利益の大半を担っているこの事業の立て直し なくして

KDDI

の復活はあり得ません。私は、「

au

のモメン タム回復」を方針として掲げ、

4

つの指標を重点

KPI

として設 定し、全社員で危機感を共有しながら、これらの

KPI

の達成 に努めてまいりました。

 なかでも、解約率は最も重要な指標です。携帯電話の普 及率が高水準に達し、新規のお客さまの獲得が一層難しく なっている現在の市場環境下では、当社のサービスを継続 してご利用いただくことは大変重要な課題です。解約率を 低減できれば、高水準の獲得コストをかけずに顧客基盤の 維持・拡大が可能となり、増収増益を伴った健全な成長も 実現できます。

 次に

MNP

は、移動通信事業者間の競争力を端的に示す指 標です。

MNP

を利用して当社へ移られるお客さまは、月額 利用料(

ARPU

)が高い傾向にありますから、そのお客さまの 純増数を最大化させることを

2

点目の

KPI

に掲げました。  

3

点目には、スマートフォンや携帯電話にモジュールなど を含めた全体の純増数を掲げました。そして最後に、当社 がオーガニックに成長していくためのドライバーとなるデー タ

ARPU

に着目し、伸長を図ってきました。

 では、

2012

3

月期を振り返って、それら

KPI

がどうなっ たのかを見ていきます。まず、解約率は、前期の

0.73%

か ら

0.66%

へと過去最低水準に改善しました。第

3

四半期に は、業界最低水準の

0.56%

にまで改善し、第

4

四半期も業

2012 3 月期の業績評価̶̶ 4 期ぶりの増収、 11 期連続の増益を達成

4 つの KPI が劇的に改善。 au モメンタムは完全回復

すべての KPI が劇的に改善しました

 営業利益は、移動通信事業における端末販売原価の増加 などによる減益を、固定通信事業におけるネットワークスリ ム化の効果などによる大幅な増益で補うことで、

11

期連続 の増益を達成しました。

(3)

界最低水準を維持しています。これは、

au

に対するお客さ まの満足度が向上してきた証と考えられます。

MNP

については、

2011

10

月から

6

ヵ月連続で純増

No.1

を達成しました。これは、社内計画を大幅に前倒して の達成であり、大変喜ばしく思います。通年でも、前期が

36

2,000

契約の転出超であったのに対して、当期は

27

3,000

契約の転入超と、実に

63

4,000

契約もの 大幅な改善を実現しました。

au

の競争力が大きく改善した ことを明確に示しています。

2013

3

月期に入ってからも

勢いは変わらず、

MNP

純増

No.1

を継続しています。  また、純増シェアも前期と比較して

10.1

ポイント改善し

27.2%

となりました。特に第

4

四半期は、

33.4%

と大きく 向上しました。データ

ARPU

についても、スマートフォンシフ トの加速に併せて増加の速度を速めていき、第

4

四半期に

は、前年同期比

10.3%

もの大幅な上昇を果たしました。  このように、

4

つの

KPI

すべてが劇的に改善しており、目標 としていた

au

モメンタムの回復は完全に達成できたと考え ています。

au 解約率*1 MNP

20123月期通期ベースで過去最低水準に低下! 第3四半期には業界最低水準に!

20119月には、9千契約の転入超。 10月以降は6ヵ月連続MNP純増No.1

20123月期第4四半期には、33.4%に上昇!

純増シェア*2

au NTTドコモ  ソフトバンクモバイル 

*1 各社決算資料を基に当社作成。au解約率はモジュールを除く。

au NTTドコモ  ソフトバンクモバイル 

*2 電気通信事業者協会資料を基に当社作成。NTTドコモ、ソフトバンクモバイル、当社による 3社間のシェア。

0.75 0.73

1Q 2Q

20113月期 20123月期

3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 0.68 0.75 0.66 0.67

0.56

0.75

0.4 1.0

0.8

0.6 1.2 1.4

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 –23 –26 –19

–12 –12 9

69

40 55 53

43 94

–40 –20 0 20 40 60 80 100

20123月期

16.2 13.5

1Q 2Q

20113月期 20123月期

3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 16.0

20.7 23.7

18.6

29.0 33.4

0 40

20 60 80

0.66%

27.2% 0.73%

17.1%

0.56 0.56

33.4 33.4 33.4

通期ベース

通期ベース

(前期比+10.1ポイント)

(前期比△0.07ポイント)

% (千)

20123月期第4四半期は、 前年同期比+10.3%の大幅な伸び! データARPU(前年同期からの増加額/増加率)

増加額(左軸)  増加率(右軸) 1Q 2Q

20113月期 20123月期

3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q

2.2 1.8 2.7

3.1 4.3

6.5 8.2

10.3

50 40 60

70 100

150 190

240

0 4 8 12

0 100 200 300

10.3 240 240 240 10.3 10.3

(円) %

%

(4)

au

モメンタムの完全回復を後押ししたのは、スマート フォンシフトの加速です。スマートフォンがマーケットの主 役になった今、端末販売台数やデータ

ARPU

をはじめ、あら ゆる

KPI

に影響を与えています。当期は、前期の

6

機種から 大幅増となる

25

機種のスマートフォンを投入し、数々の競 争力あるモデルで差別化を図りました。下り最速

40Mbps

WiMAX

」やテザリングがご利用いただける「+

WiMAX

」 対応モデルを

6

機種、洗練されたデザインで差別化を図った

INFOBAR

」シリーズ、ハイエンドユーザー向けの多様な グローバルモデル、さらに、

2011

10

月には

au

初となる

iPhone

として「

iPhone 4S

」(製造:

Apple

社)を発売するな ど、業界随一の充実したラインナップを揃えました。  「

iPhone 4S

」は、「

iPhone

にもっと『つながり』を」とい うキャッチコピーのもと、我々のネットワーク品質、エリア の広さを強みとした訴求を行い、お客さまからご支援いた だきました。「

iPhone 4S

」の販売にあたっては、「

iPhone

が、

Android

TMスマートフォンの販売に影響を与えるので はないか」という心配がありました。しかし、蓋を開けてみれ

ばどちらも好調な販売が続いており、我々にとって大変嬉し いニュースとなりました。

 その結果、スマートフォンの販売台数は前期と比較して

5

倍強となる

563

万台を達成し、期初計画の

400

万台を大き く上回りました。

 スマートフォン市場の急拡大に併せ、量販店チャネルを 新規獲得のための「攻め」の販売チャネルと位置づけ、売り 場増強や販売スタッフの増員などによる強化を図りました。 さらに、休日のイベント会場などにおける仮設店舗販売など

「攻め」の取り組みを強化しました。一方、

au

ショップは、リ テンション強化、つまり「守り」のための重要なチャネルと位 置づけ、店舗リニューアルや

ICT

を活用したお客さま対応力 の向上に努めました。こうして、「攻め」と「守り」の両面で販 売チャネルの強化を進めてきました。

 このような「商品力の強化」と「営業力の強化」を両輪と した取り組みが、

au

モメンタムの完全回復につながったと 考えています。

「商品力」と「営業力」の両面での強化が結実

スマートフォンシフトを加速しました

(5)

2012

3

月期は、基盤事業の立て直しに向けた施策と並 行して、

3M

戦略の本格展開を見据えたパーツを一つひと つ揃えてきました。

2012

1

月、

3M

戦略のロードマップと なる「スマートパスポート構想」を発表し、戦略を具現化する サービスとして「

au

スマートバリュー」、「

au

スマートパス」を 同年

3

月から開始しました。

2012

3

月末に

10

万スポット を突破した「

au Wi-Fi SPOT

」の設置も、「マルチネットワー ク戦略」の根幹となる代表的な取り組みです。その具体的 内容をご説明する前に、なぜ我々が「

3M

戦略」を打ち出し たのか、そして、それにより何を実現していこうとしているの かについて、あらためてご説明したいと思います。

 過去を振り返りますと、

2000

年以前は、日常のシーンご とに異なるデバイスが使い分けられていました。例えば会 社では、ドキュメント作成やメールで情報交換するためのパ ソコンが中心的存在であり、外出先では携帯電話で通話が なされ、家庭ではテレビがエンタテインメントや情報収集の 主役、といった具合です。

2000

年代に入ると、携帯電話の

存在感が年々高まっていきました。メールやインターネット へのアクセスが可能になり、ワンセグや決済機能などさまざ まな機能が搭載されていきました。「ケータイ・コンバー ジェンス」の時代とも言えましょう。その変化を一層加速し ていったのが、スマートフォンの登場と急速な普及です。 スクリーンの大型化が進み、フルブラウザが標準となり、

UI

(ユーザー・インターフェイス)がタッチスクリーンになる など使い勝手も飛躍的に向上しました。

 しかし、我々には、「スマートフォンだけではそのうち限界 を迎える」ということが見えていました。いかに高機能化が 進んでも、スマートフォンが完全にパソコンの座を奪うこと はできません。パソコンのアプリケーションをすべてスマー トフォンに搭載することには限界があり、ドキュメント作成の 時間や作成のしやすさもパソコンには及びません。また、 ご自宅で、スマートフォンを使ってご家族で映画を楽しめる かというと、それも難しいと思います。「大きな画面で、きれ いな画像、迫力のある画像を楽しみたい」というニーズ

「スマートフォンの限界」が 3M 戦略の出発点

我々には答えを導き出すリソースがあります

フィーチャーフォン・スマートフォンの 総トラフィックは5年間で約25倍に 今後のデータトラフィック予測

11 12 13 14 15 16

331日に終了する各年度)

利用シーンの変化

シーンごとに異なるデバイスが使い分けられていた

いつでもどこでも好きなデバイスで 豊富なコンテンツを楽しめる

携帯電話 PC

屋外

屋外

宅内

宅内 2000年以前

2010年代

PC モバイル

Wi-Fiルーター フォトフレーム

電子書籍

タブレット スマートフォン

携帯電話

マルチデバイス

(6)

WiMAX ビット単価

スマートフォン コスト高

コスト安 タブレット 電子書籍 PC T VSTB 宅内にはFTTHCATV

高速ニーズ対応

エリア基盤

マルチデバイス

3GLTE IPバックボーン

KDDIパワードイーサネット/FTTH CATV

3G

LTE

WiMAX

Wi-Fi

CATV

FTTH

高トラフィック対応

屋外Wi-Fi

宅内Wi-Fi に、スマートフォンでは十分に応えることができません。や

はり、これはテレビの領域です。

2010

年代は、スマート フォンに加え、さまざまなシーンごとにふさわしいデバイス で豊富なコンテンツを共有できる「マルチデバイス」の世界 が主流となるでしょう。

 ネットワーク側にも限界が見えています。スマートフォン

1

台あたりのデータトラフィックは、フィーチャーフォンの約

20

倍にも及ぶことから、モバイルデータトラフィックは、

2011

3

月期から

2016

3

月期の

5

年間で約

25

倍に拡大 すると予測しています。そうなると、周波数利用効率が高い

LTE

の導入やトラフィック制御技術などを駆使しても、モバ イルネットワークだけではトラフィックを収容できません。 残された答えは、固定ネットワークへのオフロードです。  

KDDI

には、これらの「スマートフォンの限界」という課題 を解決するための、他社にはないリソースがあります。固定 通信では

FTTH

CATV

、移動通信では

3G

に加え、

WiMAX

を有しており、今年は

LTE

もサービスを開始します。

Wi-Fi

と 組み合わせ、これら複数のネットワークをあたかもひとつの ネットワークのようにシームレスにつなぐことで、モバイル で急増するデータトラフィックを固定のネットワークも含め

て効率的に収容します。これは総合通信事業者である

KDDI

にしか成し得ないソリューションだと自負しています。  いつでもどこでも好きなデバイスでさまざまなコンテンツ をお楽しみいただきつつ、ネットワーク品質は決して落とさ ない。この強い思いのもとに、

3M

戦略実現に向けたプロ ジェクトは始まったのです。

Wi-Fiを活用した固定ネットワークへのオフロード

(7)

 「

au

スマートバリュー」「

au

スマートパス」のこれまでの立 ち上がりは大変順調です。契約数は、両サービスともにサー ビス開始から

2

ヵ月で

100

万契約を突破しました。

初期動向でつかんだ確かな手応え

 また「

au

スマートバリュー」は、

au

スマートフォンと対象固 定系サービスそれぞれにおいて、新規のお客さまをいかに 獲得するかが重要ですが、モバイル・固定ともに売上・利益 成長が可能であることを、早期に証明できました。  

3M

戦略は、モバイル回線の獲得に偏重していたこれま

での事業モデルから、モバイル・固定一体の事業モデルへ の変革を狙ったものです。モバイルが個人単位の契約であ るのに対し、固定は世帯単位の契約が一般的ですから、当 然、お客さまへのサービスの見え方や事業の考え方も、今 までのものとは全く違ったものになります。

 従来、

ARPU

といえば

1

契約ごとのモバイル通信収入を指 していましたが、これからは、

au

通信

ARPU

FTTH

CATV

などの固定ブロードバンド

ARPU

、さらには「

au

スマートパ ス」を入り口としたサービス・コンテンツなどの付加価値

ARPU

を拡大します。さらに「

au

スマートバリュー」により、 モバイル・固定の

ID

を増やし、世帯

ARPU

の最大化を追求し ます。この新しい事業モデルへの変革を、我々は「ゲーム チェンジ」と呼んでいます。

 コスト面では、クロスセルによるマーケティングコストの 抑制や、モバイルと固定のバンドル化による解約率の低減 などにより、リテンションコストの低減も実現しています。 最大の抑制効果が見込めるのは、ネットワークコストです。 ご自宅では、

Wi-Fi

を経由して高速の

FTTH

をご利用いただ

くことで、ビット単価が低廉な固定網へのオフロードを促進 し、ネットワークコストを抑制していきます。こうして抑制し たコストを、魅力的なサービスという形でお客さまに還元 し、さらに競争力を高めていく好循環を実現していきたい と考えています。

3M 戦略第 1 弾̶̶スマートパスポート構想の始動

3M 戦略は「ゲームチェンジ」です

通信ARPU+付加価値ARPU型モデルへの変革=「ゲームチェンジ」

付加価値 ARPU

事業者決済手数料 コンテンツ

通信ARPU

au通信ARPU データ 音声

固定BB ARPU

FTTHCATV

データ(NET 電話 映像 ID単位

ARPUの拡大

ID登録数拡大

ID

(8)

2013

3

月期は、これまで順調な立ち上がりを見せてい る

3M

戦略を本格化していく年と位置づけています。本格 化に合わせ、報告セグメントを経営資源の配分をベースとし た

4

つのセグメントに再編しました。戦略を遂行する社内組 織も、既にこのセグメントと一致しています。

2012

3

月期は、

au

モメンタム回復に向けて「

4

つの

KPI

」を最重要課題として掲げましたが、今期は「連結営業利 益

5,000

億円の必達」と「

au

通信

ARPU

の底打ち・反転」の

2

点を最重要課題として取り組んでまいります。

 まず「連結営業利益

5,000

億円」ですが、モバイル+固定 の「通信売上」と「付加価値売上」の最大化を図る一方、販 売・マーケティングコストの効率化と、データオフロードの

 今期はいよいよ、

au

の「

4G LTE

」を開始します。基地 局の整備や対応端末の開発を進め、提供開始時期は従来 計画していた

2012

12

月から前倒しを予定しています。 周波数効率の優れた新

800MHz

帯を基盤バンドとし、

1.5GHz

帯に加え、新たに現 在

EV-DO

で利 用している

2GHz

帯も利用します。

2013

3

月末までに

LTE

の実人口 カバー率を

96%

にまで一気に引き上げていく計画です。 下り最速

75Mbps

LTE

の導入により、マルチネットワーク にまたひとつ厚みを加えます。

推進によるネットワークコストの削減を強力に推し進めてい くことでその実現を目指します。

 また、「

au

通信

ARPU

の底打ち・反転」についても、これま での右肩下がりのトレンドから今期中に月次ベースで 底打ち、反転させたいと考えています。

 中長期的な成長を続けるためにも、今期は

3M

戦略を 本格化してまいります。

 これらのネットワークをこれまで以上にシームレスに つなぎ、一段高いレベル̶̶「スマートネットワーク」̶̶の 世界の実現に向けた取り組みを着々と進めてまいります。

2013 3 月期の方針̶̶連結営業利益 5,000 億円の達成と au 通信 ARPU の底打ち・反転

「スマートネットワークの世界」̶̶高品質 LTE サービスの開始

通信売上と付加価値売上の最大化を目指します

20133月期目標

連結営業利益

5,000

億円

au

通信

ARPU

今期中に月次ベースで

底打ち・反転

4G LTE」の開始

当初計画201212月から前倒し

4G LTE

2013

3

月末 実人口カバー率

96%

高品質のLTEを一気に全国展開

(9)

 通信事業者である

KDDI

CSR

には、社会インフラを支える 企業として社会とともに発展する公器の側面と、営利を追求 する側面の二つがあるということを強く受け止めています。

 当社には、

au

携帯電話サービスをご利用いただいてい る約

3,500

万のご契約者さまをはじめ、多くのお客さまが いらっしゃいますが、わずかなトラブルが発生しただけで、 大きな影響を与えてしまう可能性があります。いかなる状 況にあっても、サービスを絶え間なく提供していくこと。こ れが通信事業者として

KDDI

が何よりも優先して果たすべ き責務だと考えています。また、数多くのパートナー企業 さま、ご出資いただいている株主さま、地域社会や行政機 関、社員など当社を取り巻くすべてのステークホルダーの 皆さまによって、

KDDI

は支えられています。これらステー クホルダーの皆さまのご期待にお応えし、公器の側面とし ての責任を果たしていくと同時に、

ICT

(情報通信技術)を 活用し、環境・医療・教育などさまざまな分野における社

通信事業者として果たすべき社会的責任( CSR

情報通信サービスの絶え間ない提供こそが、最大の責務です

 当社の設備投資額は、

2009

3

月期を頂点とし、その後 減少を続けています。

2012

3

月期の設備投資額は、移動 通信・固定通信合わせて前期比

5.0%

減の

4,216

億円とな りました。

2013

3

月期の連結ベースの設備投資額は、前期比

6.7%

増の

4,500

億円となる見込みです。

 営業キャッシュ・フローについては、継続的に

7,000

億円 を上回る規模で推移しており、

2013

3

月期のフリー・ キャッシュ・フローは、

1,500

億円を見込んでいます。  株主還元については、配当を中心に考えています。これ まで

2012

3

月期を含めて

10

期連続の増配を実現してい ますが、今後も連結配当性向

25%

30%

を視野に、着実 に引き上げていきたいと考えています。

2012

3

月期の 年間配当金は、前期比

2,000

円の増配となる

16,000

円と

なり、連結配当性向は

27.5%

となりました。

2013

3

月期 は、

1,000

円の増配となる

17,000

円の年間配当金を予定 しています。また、自己株式の取得については、キャッシュ・ フローの状況等を勘案し、キャッシュ・フロー・アロケー ションの選択肢のひとつとして検討していきます。

設備投資計画とキャッシュ・フロー・アロケーション(株主還元)

マルチネットワークを駆使し、設備投資を抑制していきます

09 10 11 12 13(予)

0 100 300 500 600

200 400

575

518

444 422 450

連結設備投資額

連結設備投資額は、 20093月期にピークアウト

(十億円)

331日に終了する各年度)

(10)

 東日本大震災では、ライフラインを支える通信事業者と しての責務の重さを胸に強く刻みました。

2011

3

11

日 の震災発生直後から、サービスの早期復旧に向けて全力で 取り組み、

2011

6

月末には、震災前と同等のエリア品質 を確保することができました。一方、東北以外でも一時 通話困難な状態が続くなど、さまざまな課題も浮上し、一つ ひとつの課題への対応を進めてきました。

 また、震災直後から多数の社員がボランティアとして復興 に携わってきました。しかし、被災地の復興はまだ始まった ばかりで、これからも中長期的な視座で支援を続けていく 必要があります。今後は、社長直轄組織として設置した「復 興支援室」を中心に、全社を挙げて地元自治体等と密接に 連携しながら、継続的な支援を続けてまいります。

継続的な被災地支援を目指す

3M

戦略の滑り出しは、社内計画と比べても順調です。し かし我々は、技術の進化が非常に速く、熾烈な競争が繰り広 げられている通信市場に身を置いていますから、少しでも気 を抜けば、ようやく回復した移動通信事業のモメンタムも一 気に失いかねません。全社で危機感を共有しながら、今まで

以上のスピード感で

3M

戦略の推進に取り組んでいきます。  

3M

戦略は、事実上、マルチネットワークを有する当社にし か成し得ません。他社が追随できないサービスを次々に打 ち出し、これからも次の時代の先頭を走り続けたいと考え ています。「本気の

KDDI

」にご期待ください。

最後に

他社が追随できないサービスを次々に打ち出していきます

会的課題の解決に貢献していきたいと考えています。その ために私は、経営を正しい方向に導いていかねばならない という強い使命感を抱いています。

 一方で、社会に対する責務を果たしていくためには、持続 的な収益の成長を実現していかねばなりません。通信事業 の大きな可能性を確実につかみ、その成果をすべての

ステークホルダーの皆さまと共有するという、好循環を目指 していきたいと思っています。

 また、当社は世界にも目を向けています。経済発展の 傍らで情報通信の環境が立ち遅れている新興国などは 一つの例です。国ごとに異なる状況を正しく見極めた上で、

KDDI

ならではの価値を提供することで貢献していきます。

社員によるボランティア活動

(11)

「通信売上」最大化

auスマートバリュー

エリア・販売チャネルの拡大と、連鎖獲得に寄せる期待

取締役執行役員専務 

石川 雄三

本格始動した 3M 戦略

2011 4 月、新たな成長戦略となる「 3M 戦略」を発表した KDDI は、

その本格展開に向けてさまざまな準備を進めてきました。

そして 20123 月、 3M 戦略の第 1 弾となる「スマートパスポート構想」が始動しました。

「売上最大化」と「コスト抑制」の両面を実現する 3M 戦略。

その狙いと足下の状況、そして今後の方針を、それぞれの担当役員に聞きました。

「付加価値売上」最大化

auスマートパス

オープンインターネットという大海原へのパスポート

代表取締役執行役員専務 

髙橋 誠

Revenue Maximization

Revenue Maximization

Revenue Maximization

(12)

データオフロードの推進による

「ネットワークコスト」の抑制

スマートネットワーク

通信品質の追求とネットワークコストの抑制

取締役執行役員専務 

嶋谷 吉治

P.18

auスマートバリュー

P.20

auスマートパス

P.22

スマートネットワーク

Containment

Containment

Cost Containment Containment Containment

(13)

モバイル・固定とも順調に進捗しています。

 モバイルサイドでは、auスマートフォンの新規契約者のう ち、「auスマートバリュー」にご契約いただく割合が徐々に上 昇しています。新規契約比率はサービスを開始した3月中に 損益分岐点である20%に到達し、その後も堅調に推移して います。また、「auスマートバリュー」適用のau新規契約者の MNP利用比率が約60%に達したことは、「auスマートバ リュー」をフックに他社から多くのお客さまが移ってきている 証拠ですから、喜ばしく思っています。さらに、スマートフォン への移行を検討する際に、お客さまの障壁となっていた「高 い通信料金」への不安を軽減したことで、スマートフォンユー ザーの裾野拡大も進展しつつあります。

 固定サイドでも、期待を上回る成果が出ています。サービ ス開始後、auひかりの新規契約獲得数は大きく伸びました。 新規契約比率は、申し込み開始直後から損益分岐点である 12%を大きく上回り、引き続き高水準を維持しています。こ れは最大1Gbpsという、通信速度においては圧倒的な優位 性があったauひかりに、価格メリットという新たな差別化要

顧客基盤の拡大、解約率の低減、 販売コストの削減が期待できます。

 提携事業者さまの足下の販売状況は極めて好調です。そ れは、「auスマートバリュー」がKDDIだけではなく、提携事業 者さまにとっても魅力あるサービスだからではないでしょう か。確かに、提携事業者さまにとっては、自社サービスと携帯 電話を単純にセットで販売しても収益拡大には直結しません が、(1)KDDIからの新規ユーザーの紹介、(2)携帯電話とい う新たな商材をフックにした販売機会の創出、(3)セット割引 による解約率の低減などが期待できます。2012年3月末の

素が加わったことによる効果だと考えています。さらに、「au スマートバリュー」の対象エリアについては、FTTH4社、 CATV43社と協力関係を築き上げ、2012年3月末で世帯カ バー率*1を73%にまで一気に拡大しました。

*1 KDDIグループ各社と固定系提携事業者の合計

auスマートバリュー契約数世帯のうち、提携事業者さまとの セット契約が、auひかりを加えた全体の半数を超えているの は、「auスマートバリュー」が提携事業者さまにとっても魅力 的なサービスであることの証明ですから、引き続き良い関係 を構築していきたいと考えています。

 コスト面でも、お互いの販売チャネルを活用することによる 販売コストの削減や、お互いに広告宣伝を行うことによるプ ロモーション費用削減効果も期待できます。さらに大きな視 点でいえば、重複投資を避けることで、効率的なネットワーク 投資と販売エリアの拡大を両立することが可能となります。

QUESTION 1

au

スマートバリュー」サービス開始からの進捗について、どのように評価していますか。

QUESTION 2 固定系提携事業者さまが販売を積極的に行うメリットとは何でしょうか。

「通信売上」最大化

販売チャネルの拡大とオペレーションの質的向上により、

固定系提携事業者さまとともにお客さまの連鎖獲得を強力に推し進めていきます。

3 最終週 214

申込開始

20%

3 最終週 214

申込開始

12%

auスマートバリュー適用の au新規比率(週次)

auスマートバリュー適用の auひかり新規比率(週次) ARPUベースの損益分岐点を

超える水準で推移

ARPUベースの損益分岐点を 大幅に上回る水準で推移

% %

(14)

保守センター

コールセンター 物流センター 取締役執行役員専務

石川 雄三

au

スマートバリュー」ご提案のための

販売スタッフさまの時間創出に取り組みました。  auショップでは、受け付けを待つお客さまに、事前にお客 さま情報の照会や料金診断、機種比較などをタブレットで ご説明することで接客時間の短縮に努めるほか、モバイルと 固定の顧客情報照会システムの統合や申込書の一元化を 図りました。また、これまで接客時間の約4割を占めていた 故障対応時間を削減するため、故障受付対応を保守センター に集約するスキームを作りました。これからも、auショップ における業務負担を軽減し、「auスマートバリュー」ご提案の ための時間を創出するべく、販売最前線の声に耳を傾けて いきます。

提携事業者さまと

KDDI

双方が成功するモデルを構築します。

 課題は大きく3点です。まず、提携事業者さまを含めた対 象世帯数をさらに増やしていきます。2012年3月末に73% である世帯カバー率を、80%まで引き上げることを目標とし ます。次に、提携事業者さまからご紹介いただくau新規契約

au

契約数

310

万契約、世帯数

155

万契約を目指します。

 2013年3月期の「auスマートバリュー」ご契約におけるau契 約数については、前期比244万契約増となる310万契約、世帯 数は、同111万契約増の155万契約を目指します。また、単に 顧客基盤を拡大するだけではなく、1世帯あたりのau契約数 を、2012年3月末の1.5人から2013年3月末までに2.0人まで

者数を増やすために、提携事業者さまに対するauの販売研修 などの支援を強化していきます。このような取り組みにより、 モバイル側の新規比率20%をコンスタントに超えることが 可能になります。新規サービスですので、「auスマートバ リュー」の認知拡大も大きな課題だと認識しており、マスメ ディアとWebや店頭との連携した訴求に注力しています。

引き上げます。日本の1世帯あたりの平均人数は約2.5人*2と 言われており、携帯電話を持たれないお子さまやご高齢の方 を考慮に入れると簡単な目標ではありませんが、すでに2.0人 の目標に向けて数値は順調に伸びています。目標の達成に向 けて、その他のKPIも進捗は順調です。引き続き、提携事業者 さまとの連携を一層強化しつつ、邁進してまいります。

*2 出所:総務省統計局「平成22年国勢調査」

QUESTION 3 サービス販売に向けた準備はどのように進められましたか。

QUESTION 4 今後のサービス契約者拡大に向けた課題をお聞かせください。

QUESTION 5

2013

3

月期の目標をお聞かせください。

端末保守スキームの見直し

顧客満足度の向上と店頭業務負荷軽減の両立 従来:ショップでお預かりして修理

現在:保守センターに対応を集約し、ご提案時間を創出 各メーカー 修理拠点

各メーカー 新品に交換 修理拠点

(15)

あらゆるお客さまに、スマートフォンを 楽しんでいただくことに主眼を置きました。

 スマートフォンの登場により、大変すばらしいオープンイン ターネットの世界が実現しましたが、現実には、アプリの価格や セキュリティ面での不安を理由に、いまだアプリをダウンロード されていないお客さまが数多くいらっしゃいます。こういったお 客さまにも、安心・安全にオープンインターネットをご利用いた だきたいとの思いから、「auスマートパス」が生まれました。

過去に例がないスピードで会員数を増やしています。  サービス開始からわずか2ヵ月で100万会員を突破するな ど、会員獲得は好調です。また、若いお客さまだけではなく、 幅広い年齢層にご契約いただいており、今後に大きな期待が 持てます。アプリの平均ダウンロード数もサービス開始前と コンテンツプロバイダー(

CP

)さまと

KDDI

が、 共に成功するモデルを目指します。

 お客さまに受け入れられるだけではなく、CPさまにも メリットがあるモデルでないと、サービスとしては長続きし ません。今まで、CPさまはアプリの開発に加え、ユーザー 獲得のためのプロモーションも自身で行わなければなりま せんでした。CPさまに魅力的なアプリの開発に専念してい ただくため、3,500万ユーザーを抱えるKDDIが「auスマート

 auスマートパスは、取り放題500本以上の人気アプリだけ でなく、セキュリティソフト・コールセンターなど、スマート フォンを安心してご利用いただくための機能を備えていま す。これにより、スマートフォン移行への敷居を下げ、年齢・ 性別を問わず、幅広い層のお客さまにスマートフォンに移行 いただくことを狙っています。

比較して4倍になりました。また、店頭でスマートフォンにご 契約いただくお客さまのうち6∼7割の方にご加入いただい ており、低廉な料金や分かりやすいサービス内容、auショッ プでの積極的な勧誘が功を奏しています。

パス」というプラットフォームを用意し、CPさまに代わって アプリのプロモーションの役割を担います。お互いが持て るリソースを出し合うことにより、フィーチャーフォンで築い たCPさまとのWin-Winの関係を、スマートフォンにおいて も継続させていきたいと考えています。その先行投資負担 から、今期のサービス収支は赤字を見込んでいますが、早期 に損益分岐点となる400万会員を達成することで、2014年 3月期の着実な黒字化を目指します。

QUESTION 1

au

スマートパス」導入の狙いをお聞かせください。

QUESTION 3 サービス開始からこれまでの獲得状況・社内評価はいかがでしょうか。

QUESTION 2 総額

5

万円分ものアプリを月額

390

円で販売するモデルですが、採算は取れるのでしょうか。

「付加価値売上」最大化

au スマートパス」会員を基盤とし、付加価値売上の最大化を図ります。

(16)

代表取締役執行役員専務

髙橋 誠

音楽や映像をマルチデバイスで

楽しんでいただきたいと考えています。

 音楽・映像など、auがフィーチャーフォンで他社に先行し てきた得意分野でのノウハウを生かし、スマートフォンでも成 功を収めたいと考えています。

 「うたパス」は、月額315円で、洋楽や邦楽などの音楽が聴 き放題となるサービスです。「LISMO unlimited」との違い は、放送のようにレーベル会社が推奨する楽曲を聴くサービ スであることです。「うたパス」をプロモーションチャネルと捉 え、レーベル会社にとっては新たな販路となる仕組みを導入 したことにより、低廉な料金を実現しました。また、連結子会 社化した台湾の音楽配信大手KKBOX Inc.の設備を活用す るため、少ない投資で、早期に利益貢献が期待できます。

au

スマートパス」の加入者数拡大が最優先事項です。  「auスマートパス」については、2013年3月末で累計500 万会員の獲得を目指します。また、安心・安全に楽しんでい ただけるコンテンツを継続的に追加していき、付加価値 ARPUの拡大につなげていきます。加えて、すでに2011年 12月には「LISMO unlimited」のiOS対応を完了しています が、「auスマートパス」についてもauが提供するAndroidTM 以外のOSへの展開を進めていきます。

 一方、「ビデオパス」は、月額590円で映像コンテンツが見 放題となるサービスです。コンテンツ調達を、豊富なコン テンツ調達ノウハウを持つ株式会社ジュピターテレコムに一 元化することで、スケールメリットを出しつつ、低価格化を実 現しました。また、新作がレンタルDVDと同タイミングで視 聴できるほか、タブレット・パソコン・テレビなどでの視聴を可 能とするマルチデバイス化を図るなど、国内他社の同等サー ビスと比べても競争力の高いサービスを実現しています。  「うたパス」「ビデオパス」などの連携サービスをご利用いた だくため、「auスマートパス」にこれらの連携サービスを気軽 に体験いただけるお試し版を用意しています。このような仕 掛け作りを行うことで連携サービスによるアップセルを図り、 付加価値売上の最大化を目指します。

 さらに、「auスマートパス」を入り口としてリアルな店舗との 連携を図るなど、「O2O*」の取り組みも始まっています。 早期にauスマートパス会員数を拡大し、その顧客基盤の上に、 さまざまなサービスを展開させていきますので、ぜひご期待 ください。

* Online to Offline:オンラインとオフラインの購買活動が影響し合う、またはオン ラインでの活動が実店舗などでの購買に影響を及ぼすこと。

(注)月額利用料は、税込表示。

QUESTION 4

au

スマートパスに次いで導入された「うたパス」と「ビデオパス」の狙いについてお聞かせください。

QUESTION 5

2013

3

月期の獲得目標と今後の方針・展開をお聞かせください。

マルチユース・マルチデバイスの展開

2012年春 2012年夏以降

マルチユース

マルチデバイス

auスマートパス

うたパス

and more

and more Smart TV Box トライアル開始

ビデオパス

(17)

最も効果的な対策は

固定系ネットワークへのオフロードです。

 auの総データトラフィックをスマートフォン・フィーチャー フォン別に見ますと、現状の稼働台数では約20%にすぎない スマートフォンが、データトラフィック全体の80%を占めてい ます。2013年3月期末には、当社のスマートフォン稼働比率 は全契約者数の40%ほどに到達すると見込まれており、さら にトラフィックは増大する見通しです。新たに周波数が割り当 てられた700MHz帯についても、2014年まで利用できず、 現行設備と年内にサービスを開始するLTEのネットワークで

トラフィック分布に合わせて

効率的にオフロードを推進していきます。

 時間帯によって、データトラフィックの利用量が膨らむエリ アは異なります。我々は、緻密なトラフィック調査に基づき、ト ラフィック分布に応じて、効率的にau Wi-Fi SPOTを設置して います。例えば、通勤時間帯は駅前、日中は飲食店など、人が 集まり滞留時間が長い場所や待ち合わせスポットが高トラ フィックゾーンになりますので、そのような場所に効率良く au Wi-Fi SPOTを設置しています。2012年3月末に、10万ス ポットの設置を完了しましたが、今後は、単に基地局数を増や すのではなく、電波干渉やトラフィックなど現地調査から得た ノウハウを生かして設置を進めていきます。

 一方、夜間の21時から1時ごろに、データ利用量はピークに 達します。大半がご自宅内での利用であり、このトラフィック をオフロードするため、宅内専用レンタル機器「HOME SPOT CUBE(以下、CUBE)」の提供を2月14日に開始しました。

モバイルトラフィックを収容する必要があります。

 そこで期待が持たれるのは、Wi-Fiを活用した固定系ネット ワークへのデータオフロードです。当社が「auスマートバ リュー」でスマートフォンと固定系ブロードバンドサービスの セット加入を促進していることや、公衆スポットにau Wi-Fi SPOTの設置を推進している狙いは、ここにあります。当社 は、2012年3月末に約20%だったスマートフォン発データの WiMAX・Wi-Fiへのデータオフロード率を、2013年3月末に は50%にまで高めるという目標に向けてさまざまな取り組 みを行っていきます。

CUBEは快適さとデザイン性、さらに、かんたん設定が好評 で、サービス開始から2ヵ月半でお申し込み者数は57万件を 突破しております。さらに、CUBEご利用者の23時台トラ フィックが、Wi-Fiへ約66%オフロードしているという結果が 出ており、今後CUBEの拡販に合わせ、オフロードが進むと 期待を寄せています。

 また、Wi-Fi利用時の障壁となっていた、スマートフォンに おける電池消費や切り替え時間の問題については、待ち受け 時のWi-Fi信号サーチタイミングを最適化し、Wi-Fi切り替え 時の消費電流を低減したほか、Wi-Fi接続ツールのアプリ 改善により、切り替え時間を従来の半分以下に短縮するなど の当社独自の改善を図りました。今後も、Wi-Fiのご利用を 日常化していただけるよう、サービス向上に取り組みます。  さらに、これらKDDIのWi-Fi機器が2.4GHzと5GHzの二つ の周波数帯に対応していることも大きな強みです。2.4GHz 帯では他社を含めてすでに数多くのWi-Fiスポットが設置さ

QUESTION 1

モバイルデータトラフィックは、今後、急速に拡大すると見込まれていますが、

データトラフィック収容に向けた具体策をお聞かせください。

QUESTION 2 オフロード目標

50%

という高い目標を、どのようにして実現させるのですか。

データオフロードの推進による「ネットワークコスト」の抑制

爆発的に拡大していくデータトラフィックを固定系のネットワークにオフロードし、

高品質な通信サービスの提供と、ネットワークコスト抑制を同時に実現します。

(18)

3:00 24:00 21:00 18:00 15:00 12:00 9:00 6:00 0 10 30 50 60

20 40

夜間の21時から1時ごろ、 宅内トラフィックはピークに

取締役執行役員専務

嶋谷 吉治

LTE

の投資抑制とビット単価が低廉な 固定系ネットワークへのオフロード、 さらには工事費の抑制を行っていきます。

 LTEは、「基地局の小型化」や「CDMA2000との共用アンプ 化」により、既設のCDMA2000基地局への併設が可能とな り、早期に安価なエリア展開が可能となります。また、モバイ ルデータトラフィックをビット単価の低い固定系ネットワーク へオフロードすることにより、データ通信量がピークとなる時

間帯のトラフィック水準を下げることで、設備投資の抑制を図 ります。さらに、基地局建設にかかる工事費を下げる取り組 みも進めています。例えば、基地局設備をエアコンレスの設 備構造とすることや、建設手順の見直し、不要な業務のスリム 化を図るなど、きめ細かな改善を積み重ねています。  これらの取り組みにより、データトラフィックが拡大する環 境下でも、中長期的な連結設備投資水準を4,500億円規模 に抑えていく方針です。

QUESTION 3 設備投資の抑制策と中長期的な設備投資イメージをお聞かせください。

れていることから電波干渉を起こすエリアがあるのに比べ、 5GHz帯は比較的干渉が少なく、高速通信が可能であること から、快適なアクセス環境を提供することができます。au Wi-Fi SPOTでは「ビームフォーミング技術」を採用しているの も、大きな特徴です。アクセスポイントからの電波をお客さま

のいる方向に向けて効率的に送信することで、カバーエリア の広さや通信速度を改善することが可能となります。  アクセスポイント数が多ければつながるというものではな く、ノウハウを持ちつつ、きめ細かなエリア設計を行うことが 重要であると考えています。

宅内トラフィック  屋外トラフィック

時間帯別トラフィック分布

%

CUBEご利用者は、23時台において66%のトラフィックをWi-Fiへオフロード

HOME SPOT CUBE

HOME SPOT CUBE」利用状況

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